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心のままに・・「き・ろ・く」

心のままに・・「き・ろ・く」

(2008.1~6)



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前のブログに載せていたものもここにも「き・ろ・く・」

【2008.1~6】

「読書感想」はあくまでも私自身が
感じたこと、「つぶやき」です
テーマ読み込みも的を得ていないだろうけれど
その時に感じたことを忘れないうちに
「き・ろ・く」



1.7 
「ナイチンゲールの沈黙」海堂 尊


前に読んで感想を書いた
「チーム・バチスタへの栄光」の続編

年末には読み終えたのですが
「今年の私のベスト3」を書いてしまったので
今年のリストにいれることにしました

感想はというと・・
その日記で書いたように
やはりベスト3にはいるものでした

私は「バチスタ」よりも何倍もよかったです
残念なことは「バチスタ」の映画化で
田口医師が女性というのには
絶対に納得はいかなく、
それが頭にチラチラと浮かんできたことです

でも、それをのぞいても充分楽しめる本でした
今回は数人の子供の患者を取り巻く環境やそれが
事件にかかわってくるので
胸が痛い面も考えさせられることも多いのですが
「バチスタ」からまた新たな楽しいキャラクターも加わり
ホッとさせてくれました

印象に残った医師・・・
小さい子供を怖がらせないために
MRIの機器を「がんがんトンネル」と称し
異星人を退治する勇者となって
戦いにいくのが検査だと説明をするんです

こんな医師がたくさんいるといいな~って思いました


1.7 
このミステリーがすごい!(2008年版)

「東京都二十三区内外殺人事件」(書き下ろし短編)

『このミステリーがすごい! 2008年版』に
収録されているものです
短編なのですぐ読めました
こちらはキャラクター3人のおもしろさを
説明、印象づけの短編で
とくに「ミステリー」?というほどのものではありません
でも「バチスタ」「ナイチンゲール」を
読んでいないとあちらこちらにでてくるちょっとした
おもしろさはわからないかもしれません



1.8 「黒い森」折原 一


久しぶりに折原作品読みました

この本は3部作になっていて
前からも後ろからも読めます
真ん中の袋とじになっている部分が結末

ちょっとこわいミステリーです
深夜に読んでいたら・・・
怖い夢も見てしまいました

結末を早く知りたくてあっという間に読み終えました
(・・・というか早く読まないと最後でわからなくなるかも?)
読後感は・・というと
不思議な感じ?
おもしろかったような、そうでないような

ミステリーに殺人はつきものではあるものの・・
あまり多いとやっぱりちょっと疲れますね~の日記で感想書いています


1.15 「追伸」真保裕一


すべて手紙のやり取りでストーリーが進みます
50年前の祖父母がかかわった事件について
手紙を通じて解決、彼らの「愛」がかかれています
彼らの置かれた時代背景が切ないです

その祖父母の手紙を読むことで
主人公が拘わっている現在の事件、環境
自身の気持や相手に対する愛情を確認する・・

こんなことってあるのかも・・・?

「女が犯した、人殺しよりも深い罪とは・・」
これがこの本のテーマのようです

そう、この答えもすぐに
わかってしまったような気がします

前回読んだ真保作品「最愛」にしてもこの作品にしても
心に響くものもあるのですが

私は彼の初期の作品
「連鎖」「取引」「震源」「盗聴」「奪取」・・・
(なぜかタイトルが2文字・・)

そして忘れてはならない私の一番好きな
「ホワイトアウト」などの
ような作品が読みたいですね~



1.15 
「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001」東野圭吾 選

1970年からの30年間に発表された
短編ミステリーの中から選者の東野さんが
セレクトしたものです
新開地の事件・・・・松本清張
母子像・・・・・・・・筒井康隆
双子の家・・・・・・赤川次郎
緋色の記憶・・・・・日下圭介
北斎の罪・・・・・・・高橋克彦
僕を見つけて・・・連城三紀彦
手話法廷・・・・・・・小杉健治
サボテンの花・・・宮部みゆき


松本清張さんはミステリーの代表作家で
映画化ドラマ化もたくさんされていますが
何冊か読みましたが、
なんだか人間の醜さやドロドロしたものが
クローズアップされていて
何時も気持がもやもやと暗い気持になってしまうのです
それでちょっと苦手かな~
赤川さんの作品はとても軽くて
明るくていいのですが
ちょっと物足りない感じが・・・

知らなかった作家  小杉健治さん
 
またお名前を知ってはいたものの
作品を読んだことのない作家
連城三紀彦さん、日下圭介さん
なかなかおもしろかったです
この3人の作家の作品ぜひ読みたいですね

この中で私が一番よかったのは
やはり好きな作家の宮部さんの作品
とても温かみのあるストーリーでホッとして
この本を読み終えることができました

なにはともあれ東野さんが選んだ作品たちですからね~

最期の東野さんが解説でこれらの作品を
選んだ理由を書いていますが
「なるほど~」
それもまた読み応えありでした



2.6 
「小説現代」

興味のあるところだけ読んでます

2.6 「ビター・ブラッド」雫井脩介


初めて雫井作品読みました
私の好きなトヨエツの主演で
映画化された「犯人に告ぐ」の
映画も観そびれ、
本も図書館から借りたものの読みそびれて・・・
まずはこの作品から

内容も知らずに図書館で予約したのですが・・・
読みはじめ横山作品のような
警察小説(?)かと思いきや・・・

ミステリーはミステリーなのですが
親子のほのぼの(?)ユニーク(?)なやりとり、
その他の温かい人間関係など・・・
(もちろん殺人もありいやな人も登場しますが・・)

読んでいてとても楽しかったです
ミステリーに殺人はつきものですが
ラストでほっとさせられます
私にとっては「読んでよかった~」と思わせる一冊でした


 
「ジェネラル・ルージュの凱旋」海堂 尊


「バチスタ・・・」「ナイチンゲール・・・」に続いてですが
とにかくよかったです

私は好きですね~こういう感じ
ちょっぴりミステリー、じわ~っ、ほんわか~
う~ん(ちょっと考える)・・・

著者が現役の医師ということで医療の現場での
さまざまな想いがこめられていて
テーマもちょっと重くなりがち?
と思いきや登場人物の個性的で魅力的なキャラクターで
とても楽しめます
(もちろん病院と縁の切れない私、
考えさせられることはたくさんですが・・)

この作品、読み出しが「ナイチンゲール・・」と
ダブっているところがあって「おや?」っと
思いましたが、ラストもよかったです

ところで映画の「バチスタ・・」どうなんでしょうね
私は観にいかないことにしました
田口センセが女性?
これは私としては絶対にダメ
アルマーニを着た小太りでゴキブリのような・・・の
白鳥さんを演じる阿部寛さんにはとっても興味がありますが・・・
(まあ、あの役もあわないけれど
カッコよくてもおもしろいかな・・
「トリック」のように)



3.5 「天使のナイフ」 薬丸岳


第51回江戸川乱歩賞受賞作
以前読んだ東野作品「さまよう刃」「赤い指」
宮部作品「楽園」と同様少年犯罪についての
重いテーマでこれもずっしりときましたね~

でも「ミステリー!」という点ではとてもおもしろかったです
読み進めていくうちにいつもは犯人がだいたい予想できたりするのですが、
これはわからなかった・・というかはずれちゃいました

でも読んだ後に考えるとこういうシチュエーションだからこそ・・でした
薬丸さん、お気に入りの作家に加わりそうです


3.15 「ブラック・ペアン1988」 海堂尊


1988年のお話ということでメインとなる人物が学生だったり、
また院長、教授などの立場やキャラクターが
ちゃんと繋がれていくのがとても楽しませてくれました

ここで「愚痴外来」きまりね~
ふ~ん、「ジェネラルね~」
うんうん、「がんがんトンネルの魔人」ね~
ふ、ふ、ふ「ゴンスケ」・・・
まあ、「ルージュ?」でも世良先生は??・・・とかね

海堂作品、初めての人はこれから読んでもいいですね

医学ミステリーというとテーマが重いのですが
海堂作品、
とにかくキャラクターがいいです

命というテーマの重いミステリーでも
ホッとさせられ、楽しめます
今回登場のとても魅力的な医師2人
今までに読んだお話には登場していません

一人はもう登場することはないような表現がありましたが
外科医1年生の世良先生、これから登場することを心待ちにしています
現役医師の海堂さん、尊敬できる医師としての姿勢が小説の中にも
あちこちに伺えます・・お会いしてみたい・・・

(夫はテレビでお顔は見たらしい・・見たかったわ~)
海堂尊作品・・・全部読むまでやめられない??


3.25 「螺鈿迷宮」海堂尊


今一番のお気に入りの作家、期待して読むと・・
読み出しが・・・?
・・と思ったものの途中からはいつものように
あっという間に読めました

今まで読んだお馴染みのキャラクターも登場、
初めてのおもしろい?キャラクターも
加わって楽しませてもらいました

今回考えさせられたのは・・
「延命だけの生を続けることは医療の傲慢」

「死体の声に耳を澄ませ、
一人ひとりの死にきちんと向き合い続ければ立派な医者になれる・・」
・・・という登場人物の言葉

人がどう最期を迎えるか
また医学の進歩にどう影響されていくものなのか・・

海堂作品出版時期とストーリーは行ったりきたり(?)してますが
どれをとってもそれぞれ楽しめますし
読んだ本の数だけおもしろさも増すようです

でも今までで読んだ海堂作品「ブラック・ペアン」が一番かな~
・・・「ジェネラル・・」も捨てがたい・・・


3.27 「ダイイング・アイ」東野圭吾


「東野さんはホラーも書くの?」・・・と言う感じで・・
夜一人で読んでいてちょっとゾーっとしました
ミステリーのストーリーとしてはおもしろかったのですが、
東野さんの作品という感じではなかったような・・


4.4 「ジーン・ワルツ」海堂 尊


これはミステリーではないですね~
今までお話のキャラクターは登場しません
(大学名のみ・・でも読んではいないのですが、
「医学のたまご」と言う言葉はでてきました)

今まであるメディカルミステリーによくあるテーマ
たとえば誤診、臓器移植、感染・・・などではなく
人工授精、体外受精、代理出産、異常分娩についてなど、
産婦人科においてのこれから医師や患者や社会に対してどう向き合っていくか・・

少子化、小児科の減少・・現在いろいろととりだたされているなか
「子供と医療を軽視する社会に未来はない」はずっしりきましたね

こちらも現役医師ならではのテーマが沢山です


私は息子を重症の中毒症のため緊急帝王切開で出産
「母子ともにとても危険な状態、万が一の時は母体を優先させます」
と言われて手術室へ

無事に生まれたものの
息子はアプガー・スコア10点中4点でした
3点以下は重症仮死(高確率で後遺症が起こります)・・・

「成長にかなりのリスクはあるでしょう」と言われて
生まれきてくれた幸せのなかにも不安がありながらの子育てでした

不妊症でようやく授かった子
その時の先生の判断、処置で無事にここまでこれたこと
本当に感謝、幸せに思っています

医師も看護士も良い環境の中にいるとはいえない現在、
その人達もまた社会の一人
医療の環境がより一層充実することを願います

ミステリー好きの私にはちょっと物足りなさも感じつつ
そんなことを真面目に考えながら・・・
そして・・・
出てくるキャラクターにはやはり楽しませてもらいました

これからどんどんでるだろう海堂作品にまたまたワクワクです


 
4.18 「カタコンベ」 神村裕右


江戸川乱歩賞作、ちょっと気になっていた作品です

ブログ友達のおすすめで
私の好きな真保裕一さんの
「ホワイトアウト」のような感じ・・・と聞いては
スタンバイしている本をどけて読まずにいられません

感想はとてもおもしろくあっという間に読めました
ミステリーと言うより「冒険小説」と言う感じかしら~

以前観光地の鍾乳洞のことを思い出しちょっと
肌寒感じが甦ったりして・・
それにしても・・
「ケイビング」と言う言葉、スポーツを初めて知りました
それにこの作家さん、24歳で乱歩賞受賞、
おまけにケイビングの経験がないとの事、びっくりです

読書を通じて自分の知らない世界を想像できるのも楽しみの一つですね
あとがきで「洞窟小説」というジャンルがあるのにも驚きました

夫が子どもの時に読んで息子もお気に入りだった
ジュール・ベェルヌの「地底旅行」
私が読んでおもしろかった(怖かった?)綾辻行人「迷路館の殺人」も話題にしていました
海外、国内で沢山の「洞窟小説」があるようですね



 摘出 霧村 悠康.jpg 昏睡 霧村 悠康.jpg


初めての作家さん「霧村悠康さん」この方も現役医師です
この2冊はシリーズです

志を高く持つ研修医に惹かれるところはありますが
どちらかと言うと医師の立場、医療の現場での政治(教授選)
や経済の矛盾などがクローズアップされていて
弱い立場の患者の気持ちの表現が
少し足りない、あまり心にしみなかったような気がします
(それがかえって作者の狙い?)

医師である作者がたとえフィクションであるにしても
こんなことが起こりうることを読者に
伝える勇気には驚くものがありました

・・とはいえここにも素敵な尊敬できるような医師が
いましたね・・


4.28 
「メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学」松永和紀著


夫が読んだ本でちょっと興味深いタイトルで読んでみることに・・

以前からの健康、ダイエットブームでテレビや雑誌、
インターネットなどメディアで氾濫している情報・・
はたしてどれだけ確かなものなのか・・
単に視聴率、購買数を増やすものが多いと言うのは否定できないようです

記憶に新しいところで納豆、寒天、スキムミルクがお店の棚から
なくなるという現象をみてもメディアが与える影響が大きいことは
言うまでもないのですが・・・

これを読んで受け止め方がかわりますね
無農薬、無添加のものイコール「安心できるもの」と言えるのか・・

「へぇ~」と思ったものは沢山あるのですが、
その中で・・・
「たまねぎ」が一時糖尿病に良いと話題になりましたが
体重50kgの人が毎日50kgの玉ねぎを食べて効果が出るもの
・・・なんて誰も思っていませんでしたよね

そういう私も玉ねぎを積極的に食事に取り入れたり、
もちろん寒天、納豆、スキムミルク・・・買いに走りました

かえって摂りすぎて逆効果ということも・・

情報も・・・
「過ぎたるおよばざるがごとし」「薬も過ぎれば毒になる」

・・・なんにせよ、冷静に受け止めて振り回されないこと
・・・これが大事なことですね


5.11 
「生命徴候(バイタルサイン)あり」 久間十義


このところ読書時間を少々減らしているので
今日まで返却のこの本昨日やっと読み終えました
長編なので時間もかかりました
この作家さんの作品3冊目なのですが、長編が多いようです

ミステリーではないのですが、医療小説
よくある医局内の抗争、大学病院間の問題、医療ミス・・
それに加えてIT関連、株、さまざまな愛・・と盛りだくさん

この作家さんは医師ではないのに医療の描写がリアルですごいんですね~
実際に手術を見学したり100人以上もの人に取材をしたりしたそうです
かなり時間をかけて勉強もしたのでしょうね・・

心臓カテーテル治療が書かれているのですが
つい最近友人のダンナサマが治療をうけたばかりなので
興味深く、また医療の進歩に驚きながら読みました

読む側には丁寧に解説もしてくれています
(それでもかなりむずかしい)


前に「カタコンベ」を読んだ時にあとがきで
「ケイビングの経験がない作者がこれだけ書けるのはすごい、
小説家はある意味うそつきでなくてはいけないけれど、
そういう意味では彼は大うそつきである」なんて書評が書かれてましたが、
久間さんも「大うそつき」ということになるのでしょうね
それにしても約13年間の出来事を描いたこの小説、
ヒロインの人生はすごいです

「刑事たちの夏」の時もそうでしたが、
爽やかさとすっきりしない感じの入り交ざった複雑な読後感
でもとても深みのあるものに感じました



5.20  「医学のたまご」 海堂尊


中高生対象に書かれたものだそうですが
大人でも十分楽しめます
海堂作品ほとんど読んでいるので
読み進めていくうちにあの時のあの人が、あの子が・・
「へえ~」なんて・・・
いろいろな本にリンクしていくところがとても楽しかったです

主人公の中学生の男の子とパパとの
メールでの会話がとてもいい

思わず吹き出してしまったり
じ~んと胸があつくなったり・・・

とってもおもしろくてあっという間に読める本でした
どうやら、この本続きもあるようでとても楽しみです!

主人公が言うところの
「道はいつも自分の目の前に広がっている・・」

この先、選んでいかなくてはいけない沢山の道
悩みながら進んでいくのでしょうね



6.1  「 瘢痕 」 霧村 悠康


私の好きなメディカルミステリー
この作品は前2冊よりもミステリー性があるというか
結末に意外性がありました
それがホッとさせられるところでもありました

持病がある患者の一人として読み始め
実際に医師の判断、技量、そして一番大事な精神面で
患者や周囲の人達の人生がこれほど変わるのか・・
背筋が冷たくなる思いでした

どの本だったかどの作家が書かれたか忘れましたが
「医師は○人殺して一人前」
(これはけっして医療ミスのみならず、懸命に対応しても
助けられなかったことも含めてですが・・)

確かに人の命に関わる医療関係の人は
ミスはあってはならないことですが
ずーっと言われ続けている医療関係の人達の
過酷な労働時間でミスがまったくなくなるとは思えません

そうならないようにすること、
起こしてしまったことにどう対応するか・・

それがこの作品のテーマだと思います

あと個人的にはこの3冊を読んであらためて思ったのは

「自分の体は自分で守る」

自分でしかわからない体の変化,症状について・・
いつも目を凝らして?、耳をすませて?いるべきだと思います
何かのサインを見逃さないように・・

内容は書かない方がいいので歯がゆさがあるのですが
主人公の女医の患者側の両方の立場からの判断には
この本を読んでよかったと思えるものがありました

2日で読み終えました
前の2冊よりもよかったかな~



6.3 「ファイアー・フライ」高嶋哲夫


お気に入り作家さんの新刊です

どうしてこのタイトルなの?

「fire fly」訳すと「蛍」
う~ん、なんとなくわかるような、そうでないような

高嶋作品は「地震」「テロ」「原発」・・・
スケールの多いものが多いけれど
登場人物にほっとさせられます
犯人やかかわりのある人達にしても「憎しみ」とかの
気持があまりわかない・・
皆に静かないろいろな「愛」を感じます

それが高嶋作品の好きなところです

この作品途中から意外な展開があってとてもおもしろかったです
あっという間に読めました
(しなくちゃいけないことほっといて
夢中になって読んでしまいました

「人間は本質的にはかわらない。
心の奥底に様々な可能性を秘めて生活している、
何かのきっかけでその奥底のものが大きく膨れ上がる」


これがテーマでしょうか

この物語、事件がきっかけで主人公の日常、身の回り、
考え方に変化がおきるのですが蛍を観てこんなふうに
思えること、それ自体に意味があるのでしょうね

それでこのタイトルの私なりの解釈です
それとこの小説、男性が読むのと女性が読むのと
受け止め方もまたちがってくるだろうな~
なんて思いながら読んだ一冊でもありました

主人公たちが山の中で蛍を見ているときの描写
「ゆったりとさざめきながら揺れる光をみていると、
闇の中に咲く花のように見えた。
そしてその花は静かに、ひっそりと脈動している・・・
闇の中に無数の光が散っていく、雪みたい・・
前方が光の輝きで埋まった。
風のように波のように揺れながら降ってくる・・
私の頭の中は光の点で溢れ呼吸さえ忘れてしまいそう・・」

とっても素敵な表現だと思いませんか

昨年私はこれに近いものを感じました

これを読んで昨年の怪我に懲りずに今年も
蛍を観に行くことに決めました

この本はとってもよかったのですが、
読んでいる時間よりも昨年私に起こった
いろいろなことを思い出したりブログを遡って読んで
その時のことを振りかえっていた時間のほうが長かったかも・・



6.6  「黒笑小説」東野圭吾


東野さんは私のお気に入り作家さんの一人
40作品以上読んでますがコミカルなものはあまり・・・

今回は勉強の合間にちょっと軽い感じのものを・・と
探してこれを選んでみました

短編集(13話)
笑わせてもらいました~タイトルどおりのブラックユーモア
エッセイ「たぶん最後の御挨拶」から伺える
東野さんのお茶目な感じ?のお人柄が
ストーリーにでてるような?

東野作品、ほんと幅がひろいですね~

今回ちょっと集中した勉強のあとに1話、家事をして1話
また勉強して・・・
という感じで1日で読み終わりました

久しぶりの勉強で頭の緊張をほぐしてくれるのには
ぴったりでした
どっぷり読書もいいけれどこんな読み方もいいな~


6.7 「サイレント・キラー」結城五郎


最近「高血圧」などの別名としても
使われているタイトルのこの小説
メディカルミステリーとしてはとてもおもしろく
結末を早く知りたくてあっという間に読みました

ただストーリーはちょっと心穏やかでいられないものが・・

でも登場人物に素敵な人達もいたこと、
ちょっとホッとしたかしら・・

「心室細動」で「サントリーミステリー大賞」を
受賞したこの作家さんも
なんと(?)千葉市で開業している医師です
千葉出身や、在住で活躍している作家さん多いですね~



6.12  「5年3組リョウタ組」石田衣良


確かこの本を読むきっかけになったのは・・
「作家と遊ぼうミステリーカレッジ」のトークショーの話題・・・・

名前は聞いたことがあるような・・(実は女性かと・・)
その関連で短編を読みましたがいまひとつ

でも直木賞受賞作家、何か読んでみようかと・・
この作品、とっ~てもよかったです
久しぶりにホッとする、温かい気持になれる一冊でした

主人公の涙もろい「リョウタ先生」と一緒に
何度も泣いてしまいました

生徒よりも伝統ある学校を守ろうとする学校側
校長先生が・・
「君の茶髪もアクセサリーも気にくわなかったが・・・
むずかしい事態でも誠実正直な対応が
人の心を動かすことがある・・いくつになっても勉強だ」

リョウタ先生の行動
リョウタ先生の口から飛び出す言葉
本当に人の心を動かすんですね

小学校の時にどんな先生に出会ったかで
その子のそれからの成長に大きな影響を与えると思います

私も小学校の時にとても良い先生に出会い
楽しい思い出がたくさんです

小学校の先生になりたいな~と思ったことも・・

調べてみるとこの作品について著者のインタビューがありました
この作家さん、作品も沢山、テーマも様々・・・
ペンネームだということもわかりました



6.26   「緋色のメス」大鐘稔彦


医師であるこの作家さん「孤高のメス」が有名のよう

この作品は出版された単行本の加筆、改題の文庫です

感想はというと・・・
どうもすっきりしない感じです
内容が「不倫」だからでしょうか

私には理解できないのです・・
それほどの「愛」を読み取れなかった・・のかな~
主人公たちの「愛」に共感できないうえ
この2人にあまり魅力を感じませんでした

今日までの返却だったので読み込みが足りなかった?かも・




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